目次
開会の挨拶
新規アカウントのプロダクト別利用額において、動画広告は2014年に比べ+100%超の成長率。
もはや検索広告と同額の規模である。
なぜ動画が伸びてきているのか
いままで
検索→ディスプレイ→スマホ対応→SNS→フィード→動画オンラインでのブランディング
と難易度が高い順に取り組まれてきた。
まわり回って今ようやく動画の順番になってきたのではないか。
本日は、購買モデルの興味喚起など前半部分(コンバージョン部分以外)に焦点を当て、事例を含めて紹介していく。
Micro−Momentsを活かして認知を獲得し検討を促す
MicroMomentsを見極めマーケティングキャンペーンを展開する
何かを知りたい・行きたい・買いたい。というニーズが高まった瞬間をMicro−Momentsと呼称する。
参考資料:
我々は常にオンラインに接触している。
アメリカでは「Nomophobia」という俗語が生まれた。
Nomophobiaとは、携帯依存症的な意味合いであり、バッテリーが少なくなると恐怖を覚えるような症状が定義されている。
ビジネスにおいてはMicro-Momentsに応える。
だけではなく、Micro-Momentsを創りだすということも重要になってきた。
生活者のモバイル環境を理解しよう。
- 常にオンラインである。
- 時間・場所・興味・関心は人それぞれである
→ つまり、ターゲティングが重要 - パーソナルデバイスである。
→ つまり、クリエイティブも重要
モバイルはテレビに比べ、動画・広告のシェア率が高い。6%→23%
ブランディングには
- リーチ
- コンテキスト・ターゲティング
- インパクト
が重要である。
- 届けられなければ意味がない。
- 相手に合わせたコンテンツでなければ響かない。
- 欲しい時でなければ響かない。
- 見られなければ意味がない。
→vCPMを実施。
動画広告においてのデータ。
TrueView広告の強制視聴のものに比べ、自ら選択した広告の場合、エンゲージメントの増加率が75%もの開きがでた。
生活者の状況に合わせたコンテンツ作り
Hero
多くの人々が持つ人間の普遍的な欲求を刺激
結局なんだったっけ?にならないブランドメッセージとコンセプトがマッチしたいい動画。
Hub
生活者毎の興味関心にそったカテゴリ
人気のYoutuberをハブとして、それぞれの価値観にそったコンテンツを提供してもらうことで、寄り添う形でのコンテンツとなった。
Help
具体化したニーズに対する的確な回答
Youtubeは世界で2番目に大きい検索エンジン
True Viewインディスプレイ広告の活用を。
検索連動広告の動画版として扱うことができるだろう。
キャンペーン結果を測定する
KPI | アクション | |
認知 | 広告想起率 ブランド認知度 |
ターゲットごとに広告やブランドを認知しているか? |
検討 | 比較検討 ブランド好意度 検索上昇率 |
競合からスイッチして比較検討に結びついたか? 継続購入につなげるためのブランドファンを増やせたか? コンバージョンに繋がる検索を促しているか? |
コンバージョン | 購入意向 コンバージョン数 |
実際に具体的な需要喚起に繋がったか? コンバージョン 実際にコンバージョンに繋がったか? |
また、ブランド認知調査を利用するのをおすすめする。
ブランド認知調査
収集対象データ | 広告想起率
ブランド認知率 |
ブランドへの関心度 |
測定方法 | アンケート | オーガニック検索数 |
成果改善に役立つ課題 | ブランド認知度の伸びが最も大きかったユーザー属性を特定する | キャンペーンの配信がブランドや商品の検索につながっているかどうかを確かめる |
ブランド認知調査は、Googleで無料提供している機能。
営業担当を声を掛ける必要があるが、無料で利用できるため、ぜひ利用を。
本日のまとめ
- 広いリーチを取ろう
- その中でコンテキストをターゲティングによって最適化しよう
- ユーザに対して確実に見られ、選ばれるフォーマットを活用しよう。
- 実践後、きちんと効果測定をしよう。
動画コンテンツを活用したマーケティング課題解決へのチャレンジ
〜再生回数からマーケティングROIへのテイクオフ〜
再生回数だけを追っかけても仕方がない。100万再生だからなんなんだ。
→ きちんとKPIを設定しよう。
私のミッション
- Digital領域のMarketing->ROIの最大化
- マス広告も含む広告宣伝のROIの可視化
Google 2015上半期ベスト10動画に3つが選定
- au学割 桃太郎の出生
- にゃにゃにゃにゃ食堂
- SYNC PROJECT
KDDIがデジタルを活用して課題解決に取り組む理由
宣伝部のミッション:ショップへの送客がKGI。
KGIの最大化の為に複数のKPIを管理。
KPIのデザイン
- 多変量解析などを活用して、KGIに因果関係のある重要指標としてのKPIを設定。
- 上記KPIを基点にして、各エグゼキューションに置いても実施施策ごとに目標指標を設定。
- たとえばディスプレイ広告では、単なるクリック数は重要視せず、インビュー率や接触による態度変容をモニタリングし、ROIの高いメニューにアロケーションする
→ブランドを好きになってもらう
好きになってもらうことがなぜ大切か?
コモディティ化が進む業界に置いては、生活者が感じる差別化・便域などはない。
→ なんとなく好き。という感性・気持ちのつながりが相対的に重要になっていく。
デジタルを活用したコミュニケーションの目的
- 商品サービスの利用促進・利用意向のリフト
- Brand Equityの向上・ファンの獲得
→ 動画コンテンツが効果が高い。
バナーに比べ、動画広告の方が
- 認知:3pt
- 利用意向:15pt
リフトした。
細かいニュアンスがバナー広告だと伝わらない。
具体的事例のご紹介と効果検証
事例1 au WALLET
にゃにゃにゃにゃ食堂
課題
サービスの内容理解と利用意向のリフト。
以前のTVCFで認知はある程度存在していたが、利用されていないという課題。
成果・態度変容
利用意向:保有者が20pt、非保有者が33ptも向上した。
事例2 SYNC PROJECT
- SYNC DINNER
- SYNC YELL
- SYNC DREAMS
というトリプルメディアでゴール達成(好意獲得)を目指す。
Paid Media
- Youtube
Owned Media
SYNC DINNER
Earned Media
- WBS
- グッド!モーニング
成果
「かなり好き・好き」のアンケート結果リフト
- au:12p
- docomo:20p
- softbank:15p
アーンドメディアが一番成果があがったが、ペイドメディアなどでも引けをとらない成果が出た。
True Viewの運用は大事
オーガニック視聴とTrue View視聴の視聴時間を管理する。
オーガニック視聴の完了が高いのは当たり前(自ら見に来ているので)
True Viewできちんと視聴完了しているプロダクトは成果があがった。
Marketing ROIは圧倒的にLINEスタンプのパフォーマンスがよかった。
ただし、それぞれの獲得ポイントの内訳を理解し、ミスリードしない予算アロケーションやPDCAマネジメントにつなげていくことが大事。
→ 要は成果をきちんと見ましょう。目的に対する効果を見ましょうというお話。
まとめ
求めているのはクリエイティビティ
Data Driven Marketingだって創造力が大事
施策に対するアカウンタビリティー
プランニングと効果検証スキームはセット
成果の検証。PDCAまでが提案におけるセットでなければならない。
ビジネスゴールへのコミットメント
KPIのその先のビジネスゴールまでデザインできているか?
お互いにリスペクトできる存在であろう
私にはない専門性に期待。私もやると決めた企画は通す。
マルチスクリーン時代におけるブランディング広告の提案
定義
Video 1.0
TVCMと同じ素材を活用する。補完メディアとして利用
Video 2.0
TVCMの編集盤・長尺版。より深いメッセージの伝達に活用。
Video 3.0
YouTube専用のコンテンツを制作し活用。
オンライン動画広告の具体的活用理論 〜オンライン動画広告はどう使えるのか?〜
TVCMには予算の課題などで山と谷がある。
- 最大リーチ
- クロスメディア効果
- リーセンシー
リーチを広げるための手法
- Youtube Mastheadを利用
- 視聴者リストをリマケリストに
- リマケリストを除外してTrueViewを実施
- GDNエンゲージメント広告
クロスメディア効果
TVCM&YouTubeの接触がもっとも認知・利用意向が高くなった。
YouTubeは利用意向1%獲得単価でTVCMに比べ1/7に。
リーセンシー
「忘れられない」ように毎日触れる広告
- 圧縮されたメッセージ
週末は〜。朝専用コーヒー。お正月は〜。
短くわかりやすく、覚えてもらう。 - 接触コスト効率
安くなければならない。
事例:ロッテ「ONE TAB」
短尺動画
短尺動画True View→SKIP出来ない→視聴率が高い→品質スコアが高い→単価が安い
メッセージがぎっちぎちに圧縮された短尺動画はリーセンシーが高い。
コンテンツは小さい単位に
- 歌舞伎・オペラ:4時間
- 映画:2時間
- TV:1時間
- PC動画:数分
- モバイル動画:数秒
どんどん小さい単位に変容していっている。
コミュニケーションも小さい単位に
手紙(量が多い → PCメール → モバイルメール・チャット
5秒で伝わる内容なら動画でなくても伝わるのではないか疑惑
5秒動画≒ディスプレイ広告
ディスプレイはYT広告よりリーチする。
→忘れられないためには接触頻度が大切ではないか。
リーセンシーのためにGDNを使い場合大事なのは「View」
GDNインプレッションの56.1%がビューワブルとは認められない。
→ vCPMという課金形態を実施。
- vCPM 40円〜50円/1000imps
- 短尺TrueView 1000〜2000円/1000imps
ブランディング広告の売り方 〜Web動画広告をやらない広告主へ〜
買わない人を買う人に変えるために。
広告はWebサイトの1000倍 人の目に触れ、ブランドを作る。
ブランドとは
- 聞いたことがある
- 何かを知っている
- 興味がある
- 共感できる
- いつでも味方
ブランドがある程度形成されて、初めて「検討」のテーブルに上る。
YouTubeというプラットフォーム
TVでは許されなくなってしまった動画・コンテンツが存在している場所。
ファミリー全体に支持されるメディアとなった。
動画広告を検討してもらえていない広告主にはまずYouTubeを知ってもらい、好きになってもらい、検討してもらうフェーズまで持っていく。
成功に導く動画制作の考え方
クライアントの目的を明確にしなければ大変なことになる。
アドビシステムズの動画のように。
Web動画を作りたい背景とは
背景
ブランドを知ってもらいたい。買ってもらいたい。好きになってもらいたい。
期待すること
売り上げに対する即効性の高さ/優良顧客やファンの育成
重視されるポイント
パフォーマンス/エンゲージメント
つまりパフォーマンスを目指すのか、エンゲージメントを目指すのかでアプローチは当然異なってくる。
エンゲージメントされやすい動画を作成するには
ブランドコンテンツに必要な企画の考え方
ブランドコンテンツとは、広告主のメッセージであり、ターゲットユーザの興味のあるものである。
人の感情を動かすための企画には
- What(何をメッセージとして伝えるのか
- How(どのようにして伝えるのか
- Why(なぜこの動画なのか
の3要素が必要である。
まず、1のWhatを明確にすることが大切である。
What
ブランドが持つ価値(コアバリュー)を明確にする。
生活の中での価値・意味。
コアバリューを整理する方法
ブランドの成り立ちを整理する。
なぜならコアバリューは様々な要素から成り立つからである。
コアバリューが正しいか検証する方法
生活者の本音は何か?と照らし合わせるのが良い。
(ターゲットインサイトとコアバリューが合致しているか)
How
どうすれば視聴者が共感してくれるか。
どうすれば人の感情が動くか?
感情が揺さぶられる普遍的な出来事に、如何にブランドメッセージを添えられるか。
→ 感情が揺さぶられると共有したいと感じ、シェアされやすい。
SNSでシェアされたコンテンツを分析すると、いずれも感情を揺さぶられ、共感を得たコンテンツが多い。特に感動系コンテンツが多い傾向がある。
Why
事例紹介を交えて説明。
事例から見る成功のポイント
事例:東京個別指導学院
ブランドコンセプトを体現するコンテンツを制作し・説明会やWeb動画に利用。
背景
What
理念:やれば出来るという自身とチャレンジする喜びと夢を持つことの大切さを与える
↓
個別指導に置き換え。
コアバリュー
出来るを実現し、自信を与える完全個別指導
パーソナリティ
生徒へのおもいやりを持った講師
ターゲット
勉強に苦手意識を持つ小中高生
インサイト
本当は出来るようになりたい
コンテンツとして訴求すべきこと
出来ないことが出来るようになる喜び
→ ターゲットと同世代の主人公が指導者の助言をきっかけに挫折を克服し、成長していく。
題材をそれぞれ
- 勉強→陸上
- 塾講師→コーチ
に置き換え。
- コアバリューは伝わるか?
- その題材で適切か?
- ターゲットに共感を生む内容か?
- 実現可能か?
納期、予算、撮影許可等
と4つの指標から精査。
事例:アイデム スマホを片手に走れメロス
- 予告編を活用し、本編に呼びこみ(本編は10分以上ある)
- シリーズ化してファンを育成
事例:ホームズ ドリーマー
あえて視聴者からツッコミが入るような仕掛けに
事例:日本一ソフトウェア 夜廻
ティザームービーとして実写動画を作成。(ゲームなのに実写ということでツッコミが入るように)
事例:東山堂
サプライズの贈り物=演奏 を通じ、音楽の価値を訴求している。
東洋経済にも取り上げられたMade for Webの好事例の一つではないか。
事例紹介のまとめ
大切なのは「Why」「What」「How」がリンクしていること。
WhatにどんなHowを掛けあわせれば共感を産むか?を考えられるかが重要。
制作会社とのつきあいかた
どんなパートナーと付き合うべきか
- Made For Web 視点がある(What+How)
- いろんな表現が作れる(実写・アニメ・CG etc)
- 提案段階から相談に乗ってくれる
パートナーの力を最大限引き出すために
- マーケティング戦略の共有
- ほうれんそう(クライアントからの相談は特に…
- 企画決定後の裁量は、ある程度委ねる
動画制作における見積もりの考え方
予算が足りない時に適切な交渉をするための見積もりの基礎を学びましょう。
見積もり項目によって金額が変動する
- 企画費
- 編集費
- 撮影費
- カメラマン
- 機材費
- 照明スタッフ etc
まとめ
動画コンテンツはブランドメッセージを伝える良い手段ではある。
が、一つの手段でしかない。
誰に?何のために動画を活用するのか?を常に意識して作成する必要がある。
闇雲に共感やバズを狙って動画を作れば良いわけではない。
最適なタイミングで最適なコンテンツを届けられるように。
質疑応答
Q. KPIに対する指標数は?
塚本:KPIの中にサブKPIを設けている。時期によって指標数は異なる。多い時には12個くらいになったことも。
Q.KPI指標をどうやって作っているのか?
塚本:一緒になってエグゼキューションを考える代理店の分析分野のスペシャリストと行っている。
事業領域をエージェンシーは守りたい部分もあるので、本来は実行部隊と別代理店の人とやるべきかと思う。
Q.リフトの計測方法は?
塚本:予測モデルを利用し、推計などを用いてスコアを推測する。
その後、ROIで差し戻しプロットし、ビジュアライズしている。
Q.KPIが定まっていない広告主に対して、どのような質問を投げかけてニーズを掘り起こしているか
満留:動画に期待することはなんですか?から定義し、深ぼっていく。
動画だからこういうKPIではなく、今やっている施策から紐解いていく。
Q.動画の制作会社を選ぶ基準は?
塚本:ケースバイケースではあるが、重視しているのはクリエイターと面談し、やりたいこと、ビジョンを共感しあえること。
最初に共感してニギリが出来れば、関係が長く続く。