先日、ヤフーのアドバンスドURL移行についての記事を書きました。
具体的に今後の新規入稿の手続きはどうなるのか?ということを、一般的?なケースを元にまとめてみました。
そもそも「なんでパラメータをトラッキングするの?」という部分は、アナグラムさんのブログに非常にわかりやすくまとめられていますので、そちらをご覧ください。
目次
想定環境
今回のサンプルケースとして下記条件を前提として話を進めていきます。
対象ドメイン・ページ
example.com/index.html
トラッキングする項目
- キャンペーン名
- 広告グループ名
- キーワード
分析ツール
- アドエビスなどの広告成果分析ツールは使っていない
- Google Analyticsでの分析を行なっている
アドバンスドURL導入前まで
表示URLにドメイン。リンク先URLにトラッキングパラメータまで含めたURLを設定をしていた。
リンク先URL:「http://example.com/index.html?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_term={keywords}&utm_content=adGroupName&utm_campaign=campaignName」
非常に長いですが、こんなところでしょうか。
上記のように設定することで、Googleアナリティクス上では
- 流入元:yahoo
- メディア:cpc(有料検索)
- キャンペーン:campaignName
- コンテンツ:adGroupName
- キーワード:検索キーワード
と計測されます。
アドバンスドURL導入後の方法
これまで、すべて「リンク先URL」に設定していたものを「トラッキングURL」に移行します。
また、管理をラクにするためにパラメータを利用するのがオススメです。
スポンサードサーチで標準搭載されているパラメータ
パラメータ | 内容 |
{keyword} | 検索キーワードの内容が代入される |
{lpurl} | アドバンスドURL以降に実装。 最終リンクURLの内容が代入される。 |
上記以外でも、自らカスタムパラメータを作ることが出来る。
カスタムパラメータは「キャンペーン > 広告グループ > 広告」と親子関係が続いていれば継承される。
例) 「キャンペーンA」の中に、3種類の広告グループ「X」「Y」「Z」があり、広告グループそれぞれに「X1」「X2」「Y1」「Y2」「Z1」「Z2」と2種類の広告が登録されている。
「X」にカスタムパラメータを設定した場合:「X1」「X2」のみに継承される。また、「A」に指定したカスタムパラメータと同名のパラメータを、その下位に設定すると上書きされる。
設定サンプル
最終リンクURL:「http://example.com/index.html」
トラッキングURL:「{lpurl}?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_term={keywords}&utm_content=adGroupName&utm_campaign=campaignName」
とすることで、入稿出来ます。
トラッキングURLを利用することで、これまですべての広告でバラバラだった最終リンクURLが1つになるため、審査もスピーディに終わりそうですね。
トラッキング関連もまとめられるので、管理がラクになりそうです。
さらにラクをするために
勘がいい人は気づいていると思いますが、キャンペーン名や広告グループ名もカスタムパラメータでパラメータ化することで、更に省力化が可能です。
ここではキャンペーン名を「campaignName」、広告グループ名を「adGroupName」というパラメータ名にします。
1.キャンペーンにカスタムパラメータを設定する。
キャンペーンのにカスタムパラメータを設定する。
ここからはYahoo!提供のキャンペーンエディターのスクリーンショットともに説明をしていきます。
パラメータ名は上記ルールに従い「campaignName」とする。
2.広告グループにも同様にカスタムパラメータを設定する。
広告グループもキャンペーンと同様にカスタムパラメータを設定する。
パラメータ名は、こちらも上記ルールに従い「adGroupName」とする。
3.広告のトラッキングURLを設定する。
広告のトラッキングURLを設定する。
「{lpurl}?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_term={keyword}&utm_content={_adGroupName}&utm_campaign={_campaignName}」
と設定を行う。
このようにすることで上記で設定したパラメータの値が代入され、
「http://example.com/index.html?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc&utm_term=[検索キーワード]&utm_content=広告グループX&utm_campaign=キャンペーンA」
というトラッキングURLが動的に生成されるようになります。
すべてのキャンペーン・広告グループに適切にカスタムパラメータが設定されていれば、すべての広告を上記のトラッキングURLで統一できるので、入稿が楽になります。
入稿前にしっかりと確認を行い、設定を行いましょう。
広告の計測パラメータは何のために設定するか
これまで広告のパラメータの設定方法についてご紹介してきましたが、最も大切なのは、そもそも「なぜパラメータを設定するのか」ということです。
考えるにパラメータを設定することで、Google Analytics上で正確にデータを反映することが出来るため、改善に繋げやすい。というのが最も大きい理由だと思います。
その目的をしっかりと理解した上で、どこまでパラメータを計測するのかを取捨選択していけばよいでしょう。
今回、例として広告グループ名のトラッキングまでを設定しましたが、必須ではないと思っています。
なぜなら、Google Adwordsから送られ、Google Analyticsに反映される「utm_content」の値は広告グループ名ではなく「広告見出し」だからです。
とはいえ、データが無いより、あった方が改善には当然つなげやすいため、設定の手間・分析の手間・データの実用性を総合的に鑑みて設定を行えばよいと考えています。
追われることの気持ち悪さ
我々は「分析」し「改善」するのが仕事の一つです。
だからか、時に一般的な感覚を失うこともあります。
何も知らない状態で、広告(とも分からない)をクリックしたらURLに自分の検索したキーワードが付いてきた。
「気持ち悪い。」と不気味がられ、直帰されることもゼロではないでしょう。
気持ち悪さの軽減のために
その気持ち悪さを軽減する方法を2つご紹介します。
URLエンコード
追われてる感を軽減するために、キャンペーン名などをURLエンコード処理することも一つの手段です。
URLエンコードをすると、パット見は読めない文字列になるため、心理的圧迫は少なくなるでしょう。
試しに「テスト」という文字列をエンコードしてみると「%83e%83X%83g」となりました。
こういった対策をすることで、ストーキング感を減らすのは一つの手段ではないでしょうか。
なお、エンコードした文字列は「デコード」という解読処理で元に戻すことが出来ます。
ID化
上記は文字列を読めなくする。という手段ですが、その他の策として「そもそも文字列に意味を持たせなくする」という手段もあります。
例えば「キャンペーンA」というものに対し、管理的に「CP01:キャンペーンA」と定義し、カスタムパラメータには「CP01」のみを定義します。
ユーザ的にはCP01と表示されていても、何か付いている。という感覚以上にはなり難いのではないでしょうか。
大切なのは改善する意志
上記2つの手段を取ると、当然Googleアナリティクス上でも同様の表示になるため、見づらくなってしまいます。
しかし、改善するための計測によって敬遠されてしまい、改悪になってしまっていては本末転倒です。
トラッキングも大切ですが、しっかりと消費者感覚をもち、多角的に改善に動いていければ良いですね。