映画「悼む人」|感想







目次

作品概要

第140回直木賞を受賞した天童荒太のベストセラー小説を映画化。

事件や事故に巻き込まれて亡くなった人々を「悼む」ため全国を放浪する青年・坂築静人や、かつて夫を殺してしまった女性、病に冒された静人の母、静人を追う週刊誌記者といった人物が織りなすドラマを通し、人の生や死、罪と赦しを描いた。
週刊誌記者・蒔野抗太郎は、死者を「悼む」ために全国を旅しているという青年・坂築静人と出会う。
蒔野は残忍な殺人や男女の愛憎がらみの記事を得意とし、日々そうした情報に触れていることから、人の善意などすでに信じることができずにいた。

静人の「悼む」という行為も偽善ではないかと猜疑心を抱き、化けの皮をはいでやろうと思った蒔野は、静人の身辺を調べ始めるが……。

この作品のココが見どころ

キャストそれぞれが織り成す圧巻の演技

個人的に日本映画の特長と思っている「繊細さの表現」。
本作品は精細さにおいて、群を抜いている作品だと思います。

大竹しのぶ演じる「静人の母」。
癌に侵され自ら闘病生活を過ごしながらも、息子である静人や娘の美汐を想い、人として何が大切なのかを表現する繊細な演技。

椎名桔平演じる「抗太郎」。
親に捨てられたと思い一人で生き続け、人として嫌な部分ばかりを目立つ生き方をしていたが、父親の死の折に自らの不遜な行為により死を目の当たりにする。
死を身近に感じることで、自らの人生を振り返り悔み、静人の母と語り合う。

石田ゆり子をはじめとし、その他の俳優陣も素晴らしい演技をしており、作品の飲み込まれました。

生とはなにか、死とはなにか

人間は、生まれでた瞬間から、死に向かって歩みはじめる。死ぬために、生き始める。
そして、生きるために食べなくてはならない。なんという矛盾だろう。 池波正太郎

そんな言葉があります。

人間とは、何のために生きていて、死んだ後どうなるのか。
悼まれるということはどういうことか。

答えの無い答えを考えさせられる作品であったと思います。

総評

”繊細”

そんな言葉が非常に似合う作品でした。

キャストの見事な演技。吸い込まれる世界観をうまく表現していたかと思います。
その繊細さを描くために、動きの少ない部分でも尺を多く取られているので、人によってはテンポが悪いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

石田ゆり子さんも相変わらずの美貌で、年齢を忘れさせられました。

満足度:3.3 / 5.0

原作の小説もぜひ

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