タグマネージャーの代表的な2つ。
Googleタグマネージャー、Yahooタグマネージャーのどちらも共通することですが、タグマネージャーのコンテナを作成したら自動的に「すべてのページ」というページ指定の方法ができています。
目次
まさかの事故を防止。すべてのページを削除
私は、タグマネージャーを新規作成した後に標準で生成されている「すべてのページ」などのルールは使わないことを推奨しています。
理由としては、思いもよらぬ事故を引き起こしたケースが存在したためです。
すべてのページは、本当に「すべて」だった
Googleのタグマネージャーにしても、Yahooのタグマネージャーにしても、初期設定ではおおよそ下記のような設定が含まれています。
YTM:【削除不可】コンテナ名_コンテナID **
基本的にこの表現ですべてのページがヒットするようになります。
「何が問題なんだ?」と思われる方もいるかと思います。
実際、通常通り利用していれば、このままで問題はありません。
しかし、思いもよらぬところから問題というものは起こるものです。
誤って別サイトのタグマネージャーのタグを貼り付けた
- サイトA -> サイトAのタグマネージャー
- サイトB -> サイトBのタグマネージャー
それぞれが正しく設定されていれば問題ないのですが、下記のように誤った指定をしてしまったケースに問題は起こります。
- サイトA -> サイトAのタグマネージャー
- サイトB -> サイトAのタグマネージャー
標準の設定だと、ワイルドカードでドメインを問わず、本当に「すべてのページ」がヒットしてしまうため、「サイトB」にアクセスしても「サイトAのタグマネージャのタグ」が発火してしまうのです。
このミス設置が発生すると、Google Analyticsなどのアクセス解析データは
- サイトAのセッションは急増
- サイトBはトラッキングデータなし
という状態になってしまいます。
解析データのみならず、広告にも影響をおよぼす可能性
解析データがおかしくなるだけならまだマシです。
昨今のサイトの多くに、訪問ユーザを広告で追跡する”リマーケティング”タグが埋め込まれています。
つまり、アクセス解析のデータがおかしくなるだけにとどまらず
サイトA
- ターゲットでもない顧客を広告費を使う
- CPA悪化のリスクが増える
サイトB
- 本来リマーケティングで追える見込み顧客を逃す
ことになります。
上記のような失敗を事業主がしてしまうならまだしも、代理店がやらかしてしまった場合…
考えたくもないですね。
そのような事故を防止するために
既存で存在している「すべてのページ」などのルールを使わない。
自らドメイン名をしっかりと指定したルールの作成を行いましょう。
こうすることで、サブドメインなどのページにミス設置されない限りは上記のよう影響が出ることがなくなります。
サブドメインまで固定したい場合は
とすればよいのです。
正規表現の設定方法などは
に詳しく記載しております。ぜひご覧ください。
最後に
ツールはどんどん進化していきます。
しかし、どんな良いツールでも使いこなせなければ価値が失われてしまいます。
また、人間はミスをする生き物です。
ミスをする前提で、どうやったらミスの発生確率を下げられるか。ミスが起こっても被害が最小限でとどまるかを考え、防波堤を複数作っておくことが大切だと思います。